リケジョだけが生贄に。事件の真相を隠す「STAP細胞の存否」。
人のする仕事というものは気の遠くなるような手間を積み重ねるよね。アイデアが奇抜であればあるほど慎重さ丁寧さが求められるし、経験が浅ければ人の手も借りる。
私たちはそうやって日々の諸々を営んでいてサイエンスだってそんな生身の人間がやってるはず。
では、大学院を出たばかりのリケジョが世界で最も審査の厳しいネイチャーに論文を掲載できたのは?
昨日の調査委員会「最終報告」発表での記者の質問とその後の報道は「STAP細胞はあったのかなかったのか」を繰り返していて、国民の関心はそちらにあるのだと言いたげ。でも「STAP細胞の存在の有無」こそが世界的科学研究のテーマなので、不正調査の報告会見でそれを聞いても意味がないよね。
論文の捏造認定で世界の科学者が取り組む前提がなくなったし、まったく畑違いの野依理事長が「再現実験を呼びかける」指揮をとって1年後に結果(それは何?)を出すって、そんな約束していいのかい?
これまた不自然でしょ。
昨日の「最終報告」劇場は、以下のような「推測」が追求されないための演出になっていないか?
1.アベノミクスの一環である再生医療の研究費獲得が理研の使命となった
2.そのため新しいテーマの探索チームが神戸にできた
3.政府の予算配分などに関与するグループと通じた人物として、リケジョが選
ばれて責任者に抜擢された
4.期待に応えるべく実験していたら、間違えて(あるいは意図的に)混入した
ES細胞を新規の万能細胞としてネイチャーに投稿した
5.ネイチャーには何度も拒否されたが、誘惑に負けて審査委員の批判をかわせるデータをねつ造した
6.彼女の上司は、そのデータの再確認を怠り、あるいは疑念を晴らさないまま、ねつ造に関与した
7.疑惑の発覚後は、上司が関与したとすれば理研は再生医療分野から放逐され
るので、「上司の責任回避」を至上命令とする内部調整が行われた
8.真相を隠ぺいするため、マスコミから彼女は隔離された
9.理研は、他の法人より格段に待遇の良い特定法人の指定を受けるために、ネ
イチャー論文をお祭り騒ぎに仕立て上げて、不正がわかると彼女一人に押し付け
て幕引きを図った
10.リケジョは、早稲田大学のAO入試の一期生で、学力よりもやる気で選抜
されたが、その性格が今回のスキャンダルを生んだ背景となった
11.高校で生物の勉強をしなかったのに複雑な再生医学分野に入り、ハーバー
ド大学への留学(たった半年!)時代に野心満々のバカンティ教授のお眼鏡に叶
って「iPS細胞を超える発見」に誘導された
人のする仕事というものは気の遠くなるような手間を積み重ねるよね(2回目)。
サイエンスの世界でも標準的に共有される「経験値」というものがあるはずなのに、「実験ノートがずさん」なリケジョが、なぜ世界的科学雑誌「ネイチャー」に認められたのか。
そんな「ずさんな」人物が出したデータを鵜呑みにして突き進んだのは誰で、動機はなにか。
その追求を避けるように、マスコミ報道や理研・政府は「STAP細胞の存否」を言い続けるだろう。
「STAP細胞」論文問題とアベノミクス
http://ujina.com/2014/03/14/1331