政治経済

21世紀の労働者に資本論なんて読めるのでしょうか?マルクス本人の手による「入門書」あります

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先日、ピケティ氏の「21世紀の資本」が邦訳で発売されてました。

いち早く手に取ってみたい気はしましたがさすがにお値段がですねw。

リーマンショック後でもありグローバル経済といわれるもとでの資本主義論がどんな切り口と展開になっているのか、全世界的ベストセラーと言われるものならチラッと気になるものはあります。

 

アマゾンでの紹介文はこんな感じ。

内容紹介

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≪資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、
資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す≫

格差は長期的にはどのように変化してきたのか? 資本の蓄積と分配は何によって決定づけられているのか? 所得格差と経済成長は、今後どうなるのか? 18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、明晰な理論によって、これらの重要問題を解き明かす。格差をめぐる議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。

「本年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言っても過言ではない」ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)

「地球規模の経済的、社会的変化を扱った画期的著作だ」エマニュエル・トッド(フランス国立人口統計学研究所)

「時宜にかなった重要書だ」ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授)

「かれの解決策に賛成するにせよ、しないにせよ、資本主義を資本主義から救おうとする人たちにとって正真正銘の課題だ」ダニ・ロドリック(プリンストン高等研究所教授)

「この事実の確立は、政治的議論を変化させる、ノーベル賞級の貢献だ」ローレンス・サマーズ(ハーヴァード大学教授)

「かれの研究が、スマートな人たちを富と所得格差の研究に惹きつけることを望む」ビル・ゲイツ

「情報の豊かさがすばらしい」ロバート・シラー(イェール大学教授)

本文より
「本書の答えは、これまでの研究者が使えたものよりもはるかに広範な、長期的で比較可能なデータに基づいた答えとなっている…格差の根底にある仕組みについて、もっと深い理解を与えてくれるような、新しい理論的な枠組みに基づいたものでもある」

「1970年代以来、所得格差は富裕国で大幅に増大した。特にこれは米国に顕著だった。米国では、2000年代における所得の集中は、1910年代の水準に戻ってしまった――それどころか、少し上回るほどになっている」

「私の理論における格差拡大の主要な力は、市場の不完全性とは何ら関係ない…その正反対だ。資本市場が完全になればなるほど、資本収益率 r が経済成長率 g を上回る可能性も高まる」

「格差の問題を経済分析の核心に戻して、19世紀に提起された問題を考え始める時期はとうに来ているのだ」

「あらゆる市民たちは、お金やその計測、それを取り巻く事実とその歴史に、真剣な興味を抱くべきだと思える…数字との取り組みを拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことなど、まずあり得ないのだ」

これだけセールスコピーを書いていただいても価格面で躊躇してしまう私です(笑)。

紹介文にある「資本の蓄積と分配は何によって決定づけられているのか?」については、本家をぐりぐりしてみたい気もしてきたり。

アマゾンで他にもどんなのが?とのぞいてみますと。

マルクス 資本論

池上彰さんに佐藤優さん、そして木暮太一さんまで。よく著書が売れてる方々の手によるマルクス「資本論」解説もさかんに出版されてるようなのですね。

リビングで気楽に読むならこの人たちから?と気になるわけで、なかなか世界的ベストセラーのピケティさんにたどりつけそうにありませんw

「資本論」との出会いみたいなこと

わたしとマルクス資本論との出会いみたいなのはもう忘れてしまって後付けにしかなりませんが、学生時代に法学部の労働法ゼミに入ってた先輩から「指導教官から『労働日のところだけでも読みなさい』と言われて読んでる」と聞いて「え?ホントにあれ読むんだ?」と驚いたのは覚えております。

そのたぶん直後くらいにその先輩が買ってた新日本新書版のを当時の潤沢なバイトによる資金でバーン!と購入したのだと思います。

テントのなかで思索にふける用に持参したものの宮島の鹿のエサになり一部買い直したりとかあり、その後、堅牢な上製版が出たのをしばらくのち古本屋で半額以下になっているのをゲット。

978-4-406-02553-9L

上製版「資本論」 | 新日本出版社

今となってはほんのわずかの時期ですが、小グループの輪読会でガシガシ音読して討論して、というのをクソまじめにやってたことも。わりとヒマなというか本気なというかそんな仲間に入れてもらえて読みました。

マルクス「資本論」の何がいいの?

学生時分は無意識に「この本には社会悪をただす処方箋がかいてある」との教典的な読み方をしていたのだなと振り返るわけですけど、そんな簡単なものがあるわけないし、人類がこれから試行錯誤して社会問題を克服できるかどうかも可能性にすぎないと今はわかりましたです。

ただ、そんな今でもマルクス資本論はちょくちょく「読みに行く」のですね。

なにがそんなに?をこんなブログのいちエントリーで言い尽くせたら天才なわけですが、マルクスが取り組もうとした相手の壮大さ、それを労働者にもわかるように叙述する努力、そこに流れている哲学と方法論。

読んでいて個人として強烈に呼び覚まされるような驚きやら、どんだけ博識なんだこの人とてつもないな、とかがあります。

作品・業績に触れてみたらいてもたってもいられなくなる感じを、内田樹先生も語っておられまして、いろいろな読み方ができるのもマルクスだとのこと、そう言っていただけるとわたしは賛成ですというか助かります。

 

マルクス本人の手による「入門書」あります!

とはいえどこから読んでも面白いですよとはとても言えません。

あの大部な「資本論」を目の前にしてワクワクするのと同時に、難解なページの連続に途方にくれるのが普通の人です。21世紀の労働者はブログにSNSと超忙しいのです(笑)。

文庫本サイズの「資本論入門書」の類が引きも切らないのは、そんな「できればコンパクトに読みたい」ニーズがあるからでしょうか。

うーむ、難しいところですね。たいがいコンパクト本なんてのは原著者がもっている文字には表れにくい「風格」や「コンテキスト」が失われたり、異質になってしまったりするものです。そのオーラや雰囲気のようなものも割りとあなどれません。

なるだけ原著者に近く、でもコンパクトに。はい、そんな「入門書」はあります!

マルクス自身が手を加えた「資本論の入門書」が。

原著のヨハン・モストて誰?って感じですが、加筆・改訂は本家カールマルクス。書店で見つけて手にしたときは不思議な感じがしましたが、訳者である大谷禎之助さんの「まえがき」に詳しく経緯が書かれています。

マルクス自身が「難解だと避難されても仕方ない」と認めていた、商品から始まるあの冒頭部分に、マルクス自身の手による「簡略化」が施されています。

どうやら専門的な研究者の中でも、マルクス自身がこの部分を簡略化・平易化したことで、さらにわかる発見があったようで、訳者の大谷さん自身もその気づきを浮き足立ったように書かれています(少し長すぎ・笑)。

まとめ

といっても、ちゃんとした通読なんてほとんどできていない私です。商品論のところだけでも、読み直すたびに発見があるので、それだけでお腹いっぱいになるからです。

ということで、資本論のおすすめエントリーでした。

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