「筋トレには炭水化物の摂取が必要か?」の解法

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同期同僚ブログ「夏はクマノミ」のまーしぃさんより、タイトルの件でお題をいただいたような気がするので。

糖質制限食をしながら筋肉トレーニングをするの(導入は同時でなくても制限食が軌道に乗ったら)私も支持です。

ところが「筋トレには炭水化物の摂取が必要」という説(=立場)があり、糖質制限者として筋トレに励むことをどう考えたらよいのか?が問題です。

この点で、例の本を読み直してみたらこの問題の解法が見えてきたので、エントリーにしておこうと思います。

「筋肉増強には炭水化物の摂取によるインスリン分泌が必要」との立場

お題となったのはこちらのサイト

まーしぃさんの引用によると、以下の指摘の部分。

「筋肉を発達させるには炭水化物が重要なポイントとなる!」

「炭水化物を摂取することでインスリンが分泌される」。

ふむふむ。

「インスリンは筋肉の成長に欠かせないタンパク質やテストステロンを筋肉中に送り込む重要な役割をしているのだ」

へぇ~、そうなんだ。
(中略)

「ようするに筋肉の発達や筋肥大にはタンパク質だけを中心に摂っていたとしても、タンパク質を筋肉中に送り込む役割の炭水化物量が少ないと意味がないのだ」

んんん?

太字以外は、まーしぃさんのコメントね)

なるほどなるほど。

「インスリンにはタンパク質を筋肉に取り込む作用があり、筋肉肥大をもたらすには、インスリンを出す炭水化物を摂るべし」と言ってますね。

件のサイト、運営者の「顔」がなくひたすらサプリや筋トレグッズの解説と購入リンクが貼ってある、典型的アフィリエイトサイトに見えますが(笑)。

それはそれ、理論は理論ということでw、見ていきましょ。

「インスリンはタンパク質を筋肉に取り込む」のは本当か?

この点、ヒトはなぜ太るのか?を読み直してみましたら、確かにこうありました。

「インスリンには蛋白質を筋肉にしまっておく作用もある」
(140ページ)

「インスリンはより効果的に(中略)蛋白質を筋肉に溜め込み」
(157ページ)

「インスリンの本来の目的は血糖調整である(中略)同時に(中略)蛋白質の貯蔵と利用を調整する役割も果たす」
(131ページ)

実際の文脈には後で触れますが、そのものズバリが学術書レベルのこの本に載っているということですから「インスリンがタンパク質を筋肉に取り込むか?」は事実であり正しい。

他にも文献をあたって厳密にしたい気もしますが専門分野というのは一生をそれにかけてる人たちの世界です。

一生をかけていてはこのエントリーがいつまでも書けませんので(笑)素人が手持ちの範囲でやりくりするのも「科学」の一つだということでいきますよ(笑)。

筋肉肥大には炭水化物の摂取が必要か?

「インスリンの作用で筋肉に蛋白質が取り込まれる」ことがわかりました。では件のサイトの言うように「筋肉肥大には炭水化物を摂るべし」なのでしょうか?

ヒトはなぜ太るのか?は筋トレの指南本ではありませんで筋肉肥大のための答えは与えてくれません。

「筋肉肥大のためには炭水化物を摂るべし、しかし糖質制限食は続けたい」この問いにどうやって答えを出していけばよいのでしょうか?

もちろん私自身がどうするかは決まっていて糖質制限をしながら筋トレをするです。炭水化物を筋トレのために食べることはしません。

でもそれは自分はそうするんだけどねにすぎませんで「筋肉肥大には炭水化物の摂取が必要か」の問いが解けているわけではありません。

文献や理論からは答えが出ないので、前に進むため「筋肉肥大のためには炭水化物を摂るべし」が正しいとあえて仮定して、それを実践することを想定してみましたら。

どれくらい炭水化物を摂ればよいのかわからない

糖質制限の実践で糖質を控えたほうが体調がよいのを知っていますので「筋肉肥大のために必要最小限の炭水化物を摂取する」ということにしたい。しかしそれは可能でしょうか?

というか原理的に拡張して「炭水化物を摂れば摂るほどインスリンの作用により筋肉肥大を得ることができる」のでしょうか?

件のサイトでも「蛋白質ばかりでなく炭水化物も」と言ってるに過ぎないのでいわゆる「適度に」ということになるのでしょうか。「適度に」とか「バランスよく」ほど実際に使えない話はありませんw。そして「わからなかったらジムに来てね」とか「本やDVDを買ってね」と繋がりがちなところ。

全般的な体調不全に戻ってしまいそう

わからないながらも、仮に「適度に」炭水化物を摂りながら筋トレするとしましょうか。しかし実際の量が決められないということは、いきおい食べたいだけ食べてしまうことになりそうです。

私なんかもうウハウハしますよ。だってカレーにラーメン、おにぎりをバンバン復活して食べることで、男らしい筋肉づくりでもうモテモテみたいなとこまで脳内が進みますので(←これがいわゆる中毒症状です)。

そうなると糖質の頻回過剰摂取が実際には起きてしまい、全般的な体調不全を招き、筋肉トレーニングをしていく基礎的体力さえ危うくなるのではないでしょうか?

こうして「筋肉肥大のために炭水化物を摂取してみる」ことを仮定しても、実践していく上での道筋が見えてくるわけではありません。

確か数学で「ある命題を仮定すると矛盾を生ずる場合、その命題は間違っているといえる」というのがありました。

それをもちいると「筋肉肥大のために炭水化物を摂取すべきか?」は実際には不都合を招くので「否」といえると思います。

「筋肉肥大」を疑ってみる

「筋肉肥大には炭水化物が必要」が命題として間違っている(私の証明によるとw)としても、それは件の筋トレ(アフィリエイト)サイトだけでなく、一般的なスポーツジムでトレーナーが教えている一般的な理解なのでしょうね。

しかし、このエントリー書き始めて気付いたんですが「筋肉を肥大させる」ってなんでしょうか?なぜそのようなことをするのでしょうか?

ええ、わかってますよ。

「上半身を逆三角形にして男らしくスーツの似合う(仕事が取れる?)体にしたい」

「夏に水着になった際に、割れた腹筋でいたい」

「二の腕を鍛えたい、力こぶが出るようにしたい」

という見た目。突き詰めていくとボディビルダーの世界につながるところ(あえて画像は貼りません)。

文字通り「肥大」であるなら、まさにこれを目指しているってことですよね。しかし、それはなぜ?

「肥大」を目指さない筋肉トレーニング?もある

この点、子どもらの通ってるカンフー教室では、先生(老師といいます)は「筋肉はつけなくていい」といいます。

大人が真似するとすぐにガクガクになるくらいの負荷ですし、練習の翌日以降には必ず筋肉痛が残るほどのものです。そこではカンフーの動きをするなかで自然についてくる程度で十分だという理解があるようです。

もっといえば「筋肉」そのものにはアプローチしないようにも思えます。

ここでは筋肉のことを書いているので、その点からいいますと「筋肉の大きさ」よりも「筋肉の柔軟性や瞬発性、相互の連絡の良さ」を鍛えましょう、というところでしょうか。

たしかあの「初動負荷理論」が着目したのもそこだったと思い出します。

「筋肉肥大」から離れ、「筋トレ」からも一歩引いてみて、健康と幸せのための運動というアプローチなら、糖質制限しながら運動してればいいんじゃない?の世界で問題ないと思います。

私も運動のなかでは筋トレが取り入れやすいから、くらいのイメージです。

でもお題は「筋肉肥大」なんで、もう少し。

「ヒトはなぜ太るのか?」が物語る「筋肉肥大」とは?

なんども触れていますが本気でよい本です(読みにくいですけど)。最後まで引っ張りましたが最初の「インスリンがタンパク質を筋肉に取り込む」という記述を引用した際、文脈を省略していた件。

157ページからの引用として紹介した「インスリンはより効果的に(中略)蛋白質を筋肉に溜め込み」は実際にはこうなっています。

この「血糖値とインスリンによるおいしさ」の反応は、太ってる人や太りやすい体質の人たちでは、ほぼ間違いなく増大されている。そして、彼らが太るにつれて、インスリンはより効果的に脂肪を脂肪組織に、蛋白質を筋肉に溜め込み、それらを燃料として使えなくするため、彼らはますます炭水化物の多い食物を食べたくなる。

つまりインスリンが蛋白質を筋肉に溜め込むのは身体を太らせる作用として起こっている、というのです。

同時に、脂肪を脂肪組織にせっせと蓄積するのは当然です。

このことからも「炭水化物を摂りながら筋肉肥大をめざす」というのは、相当厳しい道だと言わざるを得ません。

脂肪の蓄積も同時に起こるので、それと闘いながらのトレーニングです。

しかも取り込んだ蛋白質は「使えなく」されます。量的に「肥大」に成功してもそれは溜め込むためのもの。生理上は使用禁止なんです。

インスリンはヒトを太らせるためのあらゆることを行う。

脂肪や蛋白質を使用禁止にするのだから、きっとインスリンが出てる本人を「あまり運動したくない」「おっくう」という感覚に引き込むことでしょう。

まとめ

「筋トレには炭水化物の摂取が必要か?」という問いを解いてみました。

中年期を過ぎてからの肉体改造。ベースは何と言っても糖質制限食をすることですが、ここには大きな発想の転換がありました。

筋トレ領域にも、「鍛える」「増強する」筋トレから「緩める」「動かせる」筋トレへの発想の転換が来てるようにも思います。

タイトルに惹かれて買った当初は「変わった本だな〜」と思ったこちらもその一つかなと思います。

(2009年には手にしていたのに。は〜。)

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