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「ガン死亡率」に「お茶とご飯」が関係あるのかは糖質制限の栄養リテラシーで各自分析してちょうだい

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日刊ゲンダイが「静岡県「掛川市」と「藤枝市」 なぜ“がん死亡率”が低いのか?」と書いていました。

記事の最後を「健康な老人になりたかったら、お茶とご飯だ。」と締めくくっているのですが、結論から言ってとんでもないトンデモ記事でして。

こんなのをラクラク分析できる本当の栄養リテラシー、健康リテラシーを培う必要があると感じました。もちろん糖質制限を実践して理論を体得していくと、だんだん自分で分析できるようになります。

がん予防には「お茶とご飯」なのかびっくりしたよ

さて、「ガン死亡率」をタイトルにして読ませ「お茶とご飯だ」と結ぶこの記事で思い出したのは、「おにぎりダイエット」をしていたタレントさんが先日食道ガンで声を失い、大学の入学式で告白したという報道。

これも、どうして大学の入学式なのか私の感覚では全く理解できないのですが、言われてみればなぜあの大学がマグロ養殖なのか?ハテ?となったのとデジャブでした。

お米に限らず糖質を含む食品はあらゆる意味で身体に負担をかける。体力と栄養の消耗そして身体の炎症とむしろガンを促進させる因子ではとも疑っていいレベル。

そんな目で日刊ゲンダイの記事を分析してみましたよ。

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記事が「ガン死亡率」を挙げ、最後に「健康な老人になりたかったら、お茶とご飯だ。」という根拠と説明を見ていきますと、起点にしているのは厚生労働省公表のガン死亡率データ。

死亡率を全国47都道府県で比較してランキングを見ると、静岡県藤枝市と掛川市が男女ともに上位である、これらはともにお茶の産地だからお茶がいいにちがいない、というもの。

ここで「緑茶が胃がんリスクを抑制する」と国立がん研究センターが言ってるのを引いて補強し、さらに掛川市役所後藤さんの長めのコメントでキメようとするのですが。

「私の88歳になる父と86歳の母は、大きめの茶碗で毎日10杯のお茶を飲んでいますが、掛川ではごく当たり前ですね。小中学生も学校でお茶を飲んでいます。もちろん、ソフトクリームに茶葉を振りかけたり、料理に使ったりもする。東北大の研究では、緑茶が循環器疾患による死亡を減らすという報告もありますし、掛川市民の健康寿命が全国トップなのは、お茶に理由があるのだと思われます」(掛川市役所・お茶振興課の後藤直己氏)

どうでしょう?

まず、私なんかは、これ見てお茶にガン予防効果あるというよりも、静岡の人たちは、しっかり水分とってちょいちょい休憩しながら生活する暮らしぶりなんだな?と読み取りますよ。

あまりセカセカしていない

のがポイントではないでしょうか?お茶を飲み飲み仕事をする文化や生活スタイル。

せかせか急ぐのではなくその逆の、だらだらといったら語弊があるかもしれませんが、のんびりした風景が広がる気がしました。ガンを予防しているのはお茶でしょうか?生活スタイルでしょうか?

しかも、掛川市役所の後藤さんが言ってるのは「掛川市民の健康寿命が全国トップなのは、お茶に理由があるのだと思われます」とあるように、健康寿命についてのみ。
ガン予防になるとは後藤さんはひと言もおっしゃっていませんし、後藤さんがコメントで紹介してる東北大の研究も「循環器疾患による死亡を減らす」というもので、ガンとお茶との相関については無関係です。

なので依然として、お茶とガン死亡率との相関は死亡率の低いところトップツーがお茶の産地だからというのみで、これはこの記事がそう気づいたというレベルにとどまります。

ガン死亡率をタイトルに掲げた締めで「健康には、お茶とご飯だ。」と断じるには、弱すぎるどころか全く根拠などないことを確認しておきます。

さらに記事の分析を続けます。
そこから、記事では突如としてお米が持ち出されるのです。

実はもうひとつ、気になるデータがある。米の消費量と健康寿命の因果関係である。米をたくさん食べている町の人は、健康寿命も高いのだ。

もうひとつのデータとは、米の消費量であり、これを健康寿命のデータと比較することで「米の消費の多い県は、健康寿命も長い」と導いています。

ここで、米の消費量のデータと健康寿命のデータは別物らしいと気がつきます。別物のデータどうしを眺めた上で、米の消費量と健康寿命が相関関係がある、と指摘しているのは(またしても)この記事のオリジナルなのです。

うーん?えらく踏み込みますなあ?

踏み込むわりには、浜松市で100.94キロとかの割と詳細らしい米の消費量のデータも、また「健康寿命」についてのデータも、その典拠が省略されています。

文字数の関係でしょうか、残念です。

健康寿命についてはこちら(厚生労働省)にありましたが、米の消費量については?いまのところ謎。

 食パン消費量と比較するのっていかにもアレかもしれない件

それはひとまず置いておき。

ガン死亡率をタイトルにした記事で「健康のためにお米をたくさんたべよう」が拡散するのは無視できません。

ネット徘徊していて「おにぎりダイエット」って聞くと「おにぎりをお腹いっぱい食べても痩せられるのか?」と都合よく脳内変換してしまうのが私たち(笑)?

なので注意深く見ていきます。

この記事は「健康寿命(厚生労働省)」と「米の消費量(典拠不明)」の相関を指摘しているだけです。「お茶」のところで分析したように、背景にのんびりした生活スタイルやセカセカしない気質の問題もあるかもしれないなど、まだまだ弱いです。

そこで記事が米の健康効果を主張するために持ち出すのが食パン消費量との比較です。

 一方、米の消費が68.18キロと少なく、食パンの消費量が26.8キロで全国1位の神戸市の健康寿命は、男性が70.1歳、女性73.3歳で全国平均を大幅に下回るのだ。

記憶力のよい読者なら、この記事が前半で「がん死亡率が高いのは、神戸市と大阪市だ。」と書いたことを思い出すでしょう。ここで神戸市を引いてきて、そして強く結論づけているのです。

 少々乱暴に言うと、日本人はやはりパンは合わないのかもしれない。11年にパンが米の消費を逆転したが、健康な老人になりたかったら、お茶とご飯だ。

日本人だからというのも、乱暴と認めつつ昨今のネット住民の気分に訴えているのでしょうか。

糖質制限の実践者なら、日本人とか欧米人とか、ましてや中国人韓国人でもそんなに話は違わないと知っており、糖質摂取による血糖値の急上昇とその後の急下降という現象に気づくところでしょう。

そして確かに粉ものであるパンよりは米の方が血糖値の上昇下降が緩やかであり、その分身体への負担も穏やかであると体で知っていますし、神戸市や大阪市と言いますと、たこ焼き、お好み焼きダァ!と想起できます(笑)。

そう、パンをはじめ粉ものは、常食すると体に良くない。

しかしだからと言って、米をたくさんたべたら健康というのはまったく違います。米も糖質ですからパンと同じように必ず身体に負担をかけています。パンやたこ焼きなどの粉ものとはあくまで量的な差にすぎません。

普段から糖質制限をしていると根本がちがってくることが多い

この記事のように、糖質を従来どおり摂取することを前提にしたならば「粉ものよりは粒もの」にその範囲で合理性があるかも知れませんが、もはや糖質をできる限り控える糖質制限なら次元がかなり違ってきます。

つまり、糖質制限の人の場合は、全体として糖質を控えた上でそれぞれの許容範囲でコントロールされた中で「今日はパンを食べてみようかな?」「ごはんを卵かけでいただこうかな?」の世界ですから、健康のためにねばならぬというより、むしろ逆にその時々の事情と条件で、特別にパンやごはんを食べたい、あるいはおもてなしなどで食べるべきタイミングかどうかの要素の方が大きい。

粉なものか粒ものか

は、糖質を常食するうえでなら粒ものがよりベターと言えますが、常食しないのですから基本あまり関係ないというか、たまにそのタイミングにだけ食べるのだからその時の状況による、というわけです。

栄養リテラシーを身につけると?

なので、この記事を読む栄養リテラシーとしては、お茶についてはともかく健康のためにお米は違うよね、とキッパリ言えること。

さらに、糖質の常食を所与の前提として個別食品のがん予防効果や健康寿命を述べても、まったくもって意味をなさないと指摘できること。

これが大事ですよね。

ましてやこの記事のようなのを読んで「がん予防には、お茶とご飯だ。」などと絶対にミスリードしないことです。

まとめ

何気なく目にした日刊ゲンダイの記事でしたが、注意深く読んでみると、いく箇所でトラップに引っかかりそうでした。というか逆によく作ってあるなあと感心もしました。

宿題になりそうなのは米の消費量についての典拠ですが、浜松市が100.94キロ、神戸市が68.18キロと具体的なのであるはずなんですが、該当らしきものは見つかりませんでした。

パンとの比較に執念を燃やしているらしきサイトには類似のものを発見しましたけど。

米穀機構 米ネット

また、農林水産相のこんな資料(PDF)も見つけました。女性の社会進出や、食事に対する簡便化志向、食の外部化、低価格志向、といったキーワードが並んでいます。

裁量労働制拡大や「定額はたらかせ放題」になったら、長時間労働が間違いなく進み、ますますこのレポートの懸念が深刻になります。コメを回復させようとは言いませんけど食習慣を見直すには「職習慣」からですよとあれだけ言っておいたのに。

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