【渋谷区同性婚パートナーシップ条例】LGBT が住む場所には優秀なオタクが集まるのですよ

同性婚カップルに証明書を発行するという「パートナーシップ証明」制度が話題です。

渋谷区の同性パートナー条例成立に「歴史的な一歩」「LGBT考えるきっかけに」

これについて先日からある書物を紹介したかったのですが、いろいろとハードルが高いです。ネット上で様々意見が交わされてるから。

まずは巷の反応を確認して、そのうえである書物を紹介をしたいと思います。

まずは渋谷区のアナウンスはこちら

条例本文を読んでみると、久方ぶりの格調高い文章に出会います。

日本国憲法に定める個人の尊重及び法の下の平等の理念に基づき、性別、人種、年齢や障害の有無などにより差別されることなく、人が人として尊重され、誰もが自分の能力を活かしていきいきと生きることができる差別のない社会を実現することは、私たち区民共通の願いである。

本区では、これまで、男女平等社会の実現を目指して、男女共同参画行動計画を策定し、推進することにより、男女の人権の尊重に積極的に取り組んできた。

しかし、男女に関わる問題においては、今なお、性別による固定的な役割分担意識とそれに基づく制度や慣行が存在すること、一部の性的指向のある者及び性同一性障害者等の性的少数者に対する理解が足りないことなど、多くの課題が残されている。

日本には、他者を思いやり、尊重し、互いに助け合って生活する伝統と多様な文化を受け入れ発展してきた歴史があり、とりわけ渋谷のまちは、様々な個性を受け入れてきた寛容性の高いまちである。一方、現代のグローバル社会では、一人ひとりの違いが新たな価値の創造と活力を生むことが期待されている。

このため、本区では、いかなる差別もあってはならないという人権尊重の理念と人々の多様性への理解を、区民全体で共有できるよう積極的に広めていかなければならない。

これから本区が人権尊重のまちとして発展していくためには、渋谷のまちに係る全ての人が、性別等にとらわれず一人の人間としてその個性と能力を十分に発揮し、社会的責任を分かち合い、ともにあらゆる分野に参画できる社会を実現しなければならない。

よって、ここに、区、区民及び事業者が、それぞれの責務を果たし、協働して、男女の別を超えて多様な個人を尊重し合う社会の実現を図り、もって豊かで安心して生活できる成熟した地域社会をつくることを決意し、この条例を制定する。

素晴らしい。これを書ける政治家や事務方が実際にいるのは日本は捨てたもんじゃありません(もちろん皮肉です) www

ただ、ネットでは以下のように様々な評価があります。

そのポイントは

  • 人権問題を経済効果にからめていいのか?
  • 渋谷区って人権擁護に熱心だったっけ?
  • Nike のために公園からホームレス追い出したじゃん

といったこと。人権と経済、政策の一貫性、利権といった論点が見えてきます。とても勉強になります。

渋谷区同性パートナー証明書、反響!様々な声、問題点。集めてみました!

「パートナーシップ証明書」の裏で進行する渋谷区の新自由主義

特に、宮下公園でのホームレス追い出しとの整合性の指摘は非常に重要ですね。人権擁護という点では矛盾していて、これは経済政策としての動機では一貫しているということになりますね。

やはり、一人ひとりのライフスタイルや生存に対する寛容さが自治体の政策の前面に出て欲しいとも思います。

マツコさんの憤りも耳を傾けて聞きましょう。

渋谷区がLGBTに優しくホームレスに厳しいのはなぜ? マツコも憤るLGBTの商売利

以上、すべてを追うことはできませんがある程度は目を通したことを断ってからでないと、この書物を紹介するのは誤解を生むだろうなと思った次第。

そして私の意見は、この制度がわが自治体で提案されたら賛成です。

このような政策の反対論者の言うように「少子化に拍車がかかる」なんて心配もしません。少子化の根本原因は糖質を摂取しまくって働きまくる人間疎外にあるから、性的マイノリティの問題とは関係ありません(キッパリ)。

また、自然に考えて社会的にマイノリティにとどまる方々が、国全体の少子化要因をつくっているといえるはずがありません。

同性婚LGBTは巨大な経済効果をもたらす

さきほど確認した様々な意見や評価があることを承知のうえで事実の確認をしますと、同性婚LGBTは巨大な経済効果をもたらしています。

アメリカの経験でそれが証明されています。これもどう評価するかは単純にはいえませんが。

「同性婚を法制化していれば、経済効果でできたこと」10例

同性婚の経済効果、NY市では年間200億円以上

以下の動画は企業がすでにマーケティングに力を入れてることを紹介しています。マイノリティの人権もへったくれもなく事業活動のために外せないテーマだからです。

https://youtu.be/Pxho9Xq3u88

では、なぜ同性婚 LGBT を認めることが巨大な経済効果をもたらすのでしょうか?

事業者目線では、なんでもいいのです。利益がでれば。ウェディング業界などがもうかるようだね!新しいビジネスチャンスならやるしかない!くらいなものでしょう。

「多様性や寛容さと経済発展」という問題がここにある!

ただ、人権を擁護することが経済政策としても効果があるという仮説がなりたつなら、どう考えたらよいのでしょうか?

理論的にも「マイノリティに寛容である都市では経済が豊かになる」と言えるか?という問題です。

その答えを探求したのが紹介したかったある書物。アメリカの学者リチャード・フロリダ氏のものですが日本語でも読めます。

もう6〜7年前ですが確か蟹工船が流行っていた頃でしょうか、書店で「おやこんなところに資本論が」と手にとってみたら、全くその手のものではなく、でも自分のツボに嵌る面白さがあったのでここ数年愛読しています。

書評できるほどの力はありませんが、わたしなりに注目しているのは、

  • 製造業からサービス業への構造変化
  • クリエイティブクラスという労働者階層の成長
  • 多様性による経済
  • マイノリティへの寛容さと経済

といったあたり。

渋谷区のパートナーシップ条例の関連で言えば、アメリカの人口100万人以上の49地域を対象に、「ゲイ」と「ハイテク産業」の関連を指数化した研究とその発表のエピソードとかが面白い。

それによると、1990年 も 2000年もハイテク指数とゲイ指数が1位なのは、サンフランシスコだそうです。最下位はデトロイトだというのにも注目。

(ということは我が広島は www?)

フロリダ氏は、ゲイに寛容な都市は先進的な産業が発達するのでは?との仮説を実証したいのに、「ハイテク産業の従事者にゲイが多いというのですか?」との誤解をされます。

そうではなく「ゲイが住む場所には優秀なオタクが集まる」のです。

わたし的にはピケティよりもワクワクして読めるので、こちらが愛読書になっています。クリエイティブクラス労働者の働き方やモチベーション、労働実態への言及も興味深いですし。

アメリカの労働者の働き方については上記とは全く毛色の違うものですが、こちらも良書です。

まとめ

渋谷区のパートナーシップ条例は、今後の人口減少を睨んで「自治体の魅力造り」の文脈で他の自治体にも広がっていきそうな気配を感じます。

いわゆる新自由主義的な思惑があるのでしょう。

しかし、人のもつ多様性、マイノリティへの寛容度、クリエイティブの発揮を支配者が「盗んで使う」ことは、逆にそれによって限界を突きつけられることになると思います。